2022.6.2
2月26日に行われました10回記念の会では、誠に有難うございました。コロナが収まらず、1月の時点ではさらに感染者が増え、心配しておりましたが、生徒の皆様やお客様のご協力のおかげで1人の感染者も出ず、無事に終えることができました事心より御礼申し上げます。そしてコロナ禍で生活様式が色々に変わり、皆様お一人お一人が大変な中でも一生懸命にお稽古を続けてくださり、その成果を出して下さった事がとても嬉しく思いました。
あっという間に3ヶ月が過ぎてしまいましたが、ようやくアップすることができました。パソコンが古すぎて、何度も「読み込めません」やら「保存できません」と断られ、その度にご機嫌取りをしながら編集、YouTubeにアップロードの作業は思いのほか時間がかかってしまいました。お待たせして申し訳ありません。編集しながら改めて見返しますと、皆様それぞれよくお弾きになられました。上手くいかなかったこともあるかもしれませんが、本番が一番良かったのではないかと思います。
何度か会にお出になられた方は、回を重ねるごとに成長していかれるのがとてもよくわかります。演奏の技術力はもちろん、舞台での身の振る舞い、ハプニングが起きた時の対処、始まる前と終わったあとの先生方へのご挨拶、他の生徒さんの演奏を聴く姿勢、少しずつ出来る様になってきました。これは何度も経験を積んでいかないと自然に出来るようになりません。初めて舞台にお出になった方は、特に大きなハプニングもなく、お稽古で指導したことを忠実に、皆様無事に演奏されました。大変結構でございました。
この会は失敗をするために行う会ですので、どうぞ思い切り失敗してください。失敗をしないと対処の仕方を知らないままになってしまいます。先輩の生徒さん方も経験済みですのであたたかく見守ってくださいますよ。私たちプロも失敗するときはします。恥を捨てて、全力で弾いてください。舞台で弾くことで、お稽古だけでは気づかなかったことに気づいたり、学んだりすることが出てくるはずです。
また、他の生徒さんの演奏やプロの演奏を見て聴くことでも気づくことがあると思います。顔が下向きすぎると暗く見えるとか、自分と構えやバチの動かし方、上げるタイミング・左手の動かし方が違うなど、小さなことでもだんだん気づいてくるはずです。先生や上手い人の真似をしてみる、ということをやってみましょう。
私事ですが、今年から有明教育芸術短期大学の非常勤講師となり、子ども教育学科の学生に和楽器の授業を教えています。学生たちに毎回話していること、それは『礼儀作法は相手を大事に思う心の表れ』『注意深く観察して真似をする』ことです。顔を向け、目を合わせ、心を込めてきちんとご挨拶ができる、裸足でお稽古場に上がらない、次に来る方の邪魔にならないよう靴をきちんと揃える、など。出来るようでなかなか出来ないこと、気づいていないことがたくさんありませんか?私の経験では親から教わることももちろんありましたが、大半は日本舞踊やお三味線のお稽古などの外の環境で教わることが多かったように思います。特に『先生の真似をする』ことを、言われなくてもできる人は滅多にいません。芸事の世界では『芸を盗む』というふうに言いますが、どんなにバチの持ち方や構えの説明をしたところで、譜面にかじりついて目の前にあるお手本を見ないで弾いているようでは上手くなれるはずありません。是非皆様にも今一度、『礼儀作法を見直す』『観察して物真似をする』ということを振り返って実践していただきたいと思います。
長くなりましたが、生徒の皆様全員これからがとても楽しみです。お三味線が皆様の人生の彩りになることを願っております。また来年に向けて楽しくお稽古していきましょう!
東音坂田舞子
吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。